日本のトイレってほんとうに綺麗だなあと思う。やさしい。健康で文化的な最低限度の生活を保障されているだけある。常に清潔に保たれていて、なにより無料。

イギリスでは駅や公共施設などの公衆トイレは基本的に有料。値段としては20p〜かな、高いところだと50p以上。トイレの入り口に、遊園地の入園のときに通るようなゲートが設置してある。公園のトイレだと、飛び越えられて機能していないところもあるみたいだけれど・・・。(非ヨーロッパ圏出身と思われる方々がトイレの前で唖然としていたり文句を言っている光景を目の当たりにすることもある。どこらへんの国と地域が有料トイレ文化圏なのか気になる。)いやらしいなあと思うのは、トイレの横にATMと両替機が御丁寧に設置してある点。親切といえば親切?

数年前にはじめて有料トイレという文化に触れたときに、マズロー!!!!とおもった。けれど、改めて考えてみると、人間が生命を維持するための生理的欲求を満たすためには、お金がかかることのほうが多い時代なんだなあと気付かされた。なにか食べるのも、どこかに住むのにも、トイレをするのにも。

でも、だからといって、安全でマナーも守られていて美しいトイレのある日本社会に甘やかされてきたわたくしには、到底納得できない。高校のトイレが美しかったのも根底にあるなあ・・・。お手洗いに60円なんて。しかもどうせ臭くて汚いのが目に見えているから、公共トイレは未だに使ったことがない。美術館・ギャラリー・レストランのトイレをフル活用。行けるときに行くという癖がこの歳にしてやっと身に付きつつある・・・まあ、そういうところのトイレでさえ臭いや汚れが気になっちゃったりするから、わたしが過剰に反応しているだけかもしれない。日本だとデザインやこだわりを見るのがすきでトイレに行くことが楽しみだっただけにすこし物足りない。いまのところ、ベストトイレは部屋のトイレ。

すこし話は変わるけれど、トイレの中の照明の色が青いこともたびたびある。どうやらドラッグ対策らしい。青い照明の中では静脈が見えにくく、青という色は精神を落ち着かせたり冷静な判断を促す色で、薬物をはじめとする犯罪や自殺の抑止効果もそこそこ出ているらしい。誰に聞いたか忘れてしまったけれど、なるほど!!!と思った覚えがある。個人的には、青い照明のトイレは落ち着くどころかすごくソワソワするから、トイレに入って照明が青いと心拍数が上がる。

あと、トイレットペーパーは一般的なロール式ではないこともよくある。上手く説明できないけれど、切れ目が入ったところで切れるかんじ。(今度写真撮ったら載せておこう)日本ではそんなに見たことなかった形式。理由としては、トイレがつまりやすい・ロールで置くと盗まれるなどがメジャーらしい。

わたしが言う「日本」はみんなの「日本」ではないという但し書きが必要かもしれない。いわずもがなわたしにとっての「日本」との比較。 

あと、韓国の中心地でもトイレ事情については気づくことが多かったことを踏まえると、国際化の流れも色濃いかなと思う。観光客や移民などが連れてきた他の文化との共存がここではゆるされているかんじがする。日本では、トイレの使用方法の表示がそこかしこにあることからも、日本のスタイルにあわせてくださいというメッセージが全面に押し出されている。トイレに限ったはなしではないけれど。

トイレについてこんなに考えることもないし、トイレひとつで見えることも底なしにあって面白い。だから人生ってたのしいねえという気持ちになる。情報社会でオーバーウェルム状態になって情報断ちをしたくなることもあるけれど、わたしの場合は生活の中心にはつねに好奇心がある。知るということは素晴らしいこと、ソクラテスの精神。知れば知るほど広くて狭い世界を目の当たりにする。

 

(あとで写真追加しておくこと!)